水戸市を中心に運行されている観光バスの乗客をターゲットに、水戸署と水戸地区防犯協会、同市が、ニセ電話詐欺の被害防止を啓発する動画「知っていますか。ニセ電話詐欺。あなたは大丈夫?」を共同制作した。水戸黄門一行が登場し、注意を呼びかける内容。観光バスの乗客とニセ電話詐欺被害者の年齢層が重なることに着目した啓発活動で、全国的にも珍しいという。
 動画は、同署員が脚本などを、市職員が撮影をそれぞれ担当。水戸黄門漫遊一座や防犯協会支部のボランティアが出演した。
 5分半の寸劇で、ニセ電話詐欺について「だまされる人は注意が足んねえんじゃねえのか?」「自分の息子の声ぐらい聞き分けられるから」と話す夫婦を、突然現れた黄門さまが一喝するという内容だ。10月中旬から上映が始まった。
 県内のニセ電話詐欺被害は近年、増加傾向にある。
 2012年は124件(被害総額約5億6700万円)だったのに対し、14年は301件(同約14億3700万円)、今年1~10月では既に昨年を上回って310件(同約9億7400万円)。水戸署管内でも今年1~10月、県内の約1割を占める34件(同約1億3700万円)の被害が出ている。
 動画の中で夫婦役を務めたのは、水戸地区防犯協会東台分会副会長の飯田博さん(75)と、同協会女性支部副部長の関岡てつ子さん(60)。青色防犯パトロール隊での巡回や防犯啓発キャンペーンの活動は経験があったが、演技経験はなかったという。
 「最初はすごく恥ずかしくって……」と撮影時を振り返る関岡さん。今では動画の収録されたDVDの配布や寸劇のキャンペーンを企画するほどに積極的になった。「友人が『(私は)大丈夫よー』と動画のセリフと同じことを言っていて、『恥ずかしがってばかりいるのは違う』と思い直しました」と話す。
 セリフを何度も間違えながら演じきった飯田さんも「一人でも動画を見る人が増えて、一件でも被害が減ってくれればと思う。こういった取り組みが他県に広がればいい」と話す。口コミで関心を呼び、動画を見たいと、頼まれることもあるという。
 水戸署生活安全課では、希望する企業や団体には映像を提供する方針。樽川千城課長は「おもしろく楽しい動画を通して、より身近に起こりうる犯罪と感じてほしい」と呼びかける。動画は市のホームページや動画サイト「YouTube」でも視聴できる。

引用元 ニセ電話詐欺防止 観光バスで啓発動画 水戸市 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)