愛知県警が力を入れる「だまされたふり作戦」とはどんな展開をたどるのか。容疑者逮捕までを追った。
 「警察官から電話で『貯金を守ってあげるから』と言われた。指示された通りに今、郵便局でお金を引き出したんですが…」。十一月十一日、豊川署を訪れた地元の無職女性(81)。署員はすぐに「ニセ警官による詐欺ですよ」と告げ、作戦に協力するよう説得を始めた。
 ニセ警官は「郵便局にオレオレ詐欺犯がいる」と不安をあおり、四百九十万円を引き出させていた。女性は作戦を「私にできるかしら」とためらった。署員は「万全の態勢を敷く」と説明し、協力を得た。
 女性が帰宅すると、待ち構えていたかのように、裁判所職員を名乗る男から「今から金融機関の女性職員が現金を受け取りに行く」と電話が入った。間もなく女が現れた。詐欺グループの受け子だ。張り込んでいた警官たちが詐欺未遂の疑いで現行犯逮捕した。
 東京都日野市の元ホステス(25)で、実は県警は事前にマークしていた。前日、隣接市で警官をかたる不審電話が頻発。うち一軒に警官と称し現れた女がおり、県警は似顔絵を作成した。翌日、周辺を警戒中に見つけ、絵と似ているとして動きを追っていたのが元ホステスだった。
 県警幹部は「元ホステスの動きを事前に把握し、確実な逮捕につながった」と振り返る。作戦では高齢者らが危害を加えられた例はない。参加者からは「意外に簡単だった」と感想が寄せられているという。

引用元 ニセ電話には「だまされたふり」 作戦協力者「意外と簡単」:一面:中日新聞(CHUNICHI Web)