息子ではなく、娘などを装い高齢者らにニセ電話をかけ資金をだまし取る新手の「ワタシワタシ詐欺」が7月以降、愛知県内で急増していることが、県警への取材で分かった。10月中旬までに不審電話が63件あり、うち実際に被害に遭ったのは15件、総額3000万円に上る。警察庁によると、同様の被害は愛知以外でも確認されており、警察当局は警戒を強めている。
 だまし役や現金の受け取り役など役割分担を巧妙に進める詐欺グループで、高齢者宅などを狙いニセ電話をかける「かけ子」役は従来、男が圧倒的。このため、息子らを装う手口は「オレオレ詐欺」とも呼ばれた。愛知県警は、犯行グループが高齢者らの「犯人は男」という先入観を逆手に、かけ子に女を利用し始めた疑いがあるとみている。
 県警によると、今年一〜六月、県内で女のかけ子による不審電話が確認されたのはゼロだった。しかし、七月以降は毎月、相談が寄せられ、多い月には三十件弱に上っているという。
 娘を装って電話し、株や不動産などの投資で損失を出してしまったとうそをつき、穴埋めに必要として現金を要求する手口が大半。高齢者らが相手を娘と信じ応じると、指定した場所に「弁護士」や「代理人」などを名乗る男が現金を受け取りに現れるという。
 九月二十九日には、愛知県扶桑町の七十代の女性に、娘を装った女から「証券会社の株を買ったら、トラブルに巻き込まれた」と電話があった。女性は実の娘からの相談と思い込み、弁護士の助手を名乗る男に、解決金名目で二百万円を手渡し、だまし取られた。
 愛知県警の幹部は「ニセ電話詐欺の犯人は『男』だという思い込みを捨て、娘などを名乗る女から不審な電話を受けた場合は、すぐに家族や警察に相談してほしい」と話している。

引用元 娘装い「ワタシワタシ詐欺」 愛知で急増、被害3000万円:一面:中日新聞(CHUNICHI Web)