15日に行われる安倍首相と、ロシアのプーチン大統領の首脳会談を前に、岸田外相は2日夜、プーチン大統領と会談する。北方領土問題に関して、最終的な感触を得る狙いがある。日本時間の2日朝、雪が降る氷点下のサンクトペテルブルクに到着した岸田外相は、出発前、緊張した面持ちで「日本の考えを直接、伝えたい」と語った。岸田外相は「安倍首相の親書を持って行く」と述べた。岸田外相が親書を渡すプーチン大統領は、11月の日ロ首脳会談で、北方領土で日ロの合弁事業を進める「共同経済活動」を提案したが、安倍首相は、ロシアの法律に従って共同経済活動を進めることはできないという日本の従来の立場から、回答を避けていた。しかし今回、首相は何らかの答えを岸田外相に託したものとみられる。いったい、何が北方領土交渉を困難にしているのか。原因の一端が、60年前の外交文書にあった。終戦を迎えたあとも、多くの日本人が、ソ連に抑留され、シベリアなどで強制労働を強いられていた。いわゆる「シベリア抑留」。抑留者は、およそ57万5,000人に及び、その帰国をめぐるソ連との交渉は難航していた。「極秘」と記された文書。「帰還情報」が作成された1956年1月の時点でも、まだ多くの日本人が抑留され、帰国の見通しが不透明だった。文書には「現状を以て推移すれば数千名に上ると予想される日本同胞の帰国完了は尚数ケ年を要するであろう」と書かれていた。文面からは、日本政府の強い焦りが伝わってくる。さらに、「難航を続ける日ソ交渉の中心議題、領土問題と抑留者問題」、「在ソ日本人を政治的人質として利用していくことは愈々明らか」と書かれていた。「政治的人質」という言葉からもソ連側が抑留者を交渉のカードに使い、北方領土問題で日本の譲歩を引き出そうとしていたことがわかる。結局、この文書が作成された10カ月後、抑留者の帰国を最優先させた日本政府は、ソ連と「日ソ共同宣言」を締結し、国交を回復した。しかし、領土問題では「平和条約締結後の歯舞(はぼまい)・色丹(しこたん)2島返還」で日本側は、いったんは矛を収めることになった。プーチン大統領は、1日の演説で、日本側が示す経済協力プランに期待を示したが、北方領土については触れなかった。外務省幹部は、今回の会談は「ガチンコ勝負、何の振り付けもない」と話し、親書を受け取ったプーチン大統領がどう反応するか、予測は難しいとされている。首脳会談を目前に控え、プーチン大統領の感触を探る会談は、このあと行われる。

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