和歌山県は、県内で育てた「紀州材」の生産量アップを目指す「森林・林業総合戦略」を進めている。
 森林の中から、販売用の「経済林」を選び出し、財政支援を集中させて、木材生産量を16・6万立方メートル(2013年)から、23万立方メートル(19年)に増やすことを目標に掲げる。
 県内の森林の面積は、国有林を除くと、個人、企業が所有する民有林が約34万4000ヘクタールある。県は昨年度から、航空写真などをもとに、経済林を選び出す作業を行ってきた。
 経済林として、▽運搬用の4トントラックが走行できる道路から500メートル以内▽作業道が設置しやすい傾斜40度未満のスギ、ヒノキの森林――の条件に合った場所を選定。さらに経済林の中から、手入れが進んでおり、良質な木材の供給が見込まれる森林を「重点エリア」とした。
 この結果、森林は重点エリアが7万4000ヘクタール、重点エリア以外の経済林が6万ヘクタールとなった。
 経済林に対しては、草刈りや間伐に係る人件費を補助し、重点エリアにはさらに、間伐材の搬出費用や作業道の整備費用も助成する。
 残りの21万ヘクタールは「環境林」とし、木材生産のための支援は行わないが、水源かん養など森林本来の機能維持を目的とした間伐に対しては助成を行う。
 これまで県は、スギ、ヒノキの森林であれば助成を行ってきたが、今後は経済林に支援を集中投資することで、効率的な生産につなげる。
 一方、木材の需要拡大のため、県は今年度、間伐材や木くずを利用した「木質バイオマス発電所」を建設しようとする事業者に対し、燃料となる原木の購入資金を支援する制度を設けた。10月から募集を始め、問い合わせが数件寄せられたという。使途が限られる木くずや間伐材だが、燃料として利用することができれば、年4万トン程度の需要を生み出せると見込んでいる。
 県林業振興課は「限られた財源の中で、林業の『選択と集中』を強化して木材生産を効率化させるとともに、新しい林業の担い手育成も進め、林業全体を活性化させたい」としている。(大森篤志)

引用元 紀州材増産、効率的に…経済林選び財政支援集中 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)